自分の荷物と私の荷物を持ってない方の手で、私の手を握った。


車の前までくると、助手席のドアを開けてくれて。


私が乗り込むと、ドアを閉めてくれた。


「ありがと」


運転席に座った龍矢にお礼を言うと。


髪をくしゃくしゃされた。


三木会社の駐車場に着くと、また龍矢が車のドアを開けてくれた。


ここまでしなくていいのに。


そう思ってしまうけど、それは内緒。


だって龍矢は、私の身体に負担がかからないようにいろいろやってくれてるから。


「龍矢、荷物頂戴」


そう言って、龍矢から荷物をもらおうとした。


そしたら。


「一人で行くつもりか？」


ものすごい顔して睨んできた。