「そうそう。鉄剤に頼らなくてもいいようにね」


「はい」


「やっとママの笑顔が見れたわね」


洋子さんが、私のお腹に話しかけた。


「やっぱり、ママは笑ってて欲しいわよね」


「そうですね」


ごめんね、今まで暗い顔ばっかしてて。


パパの笑った顔も、あんまり見れなかったよね?


でもこれからは、笑うね。


そっとお腹に手を置いた。


それから1週間ごとに、点滴を受けに行った。


そのたびに、洋子さんと龍矢がついて来てくれた。


家に帰ると、お義父さんが笑顔で迎えてくれた。


いつの間にか、つわりも治まってきて。


この子がお腹に居るってわかってから、4ヶ月がたった。