だから、すぐに日本に戻って来てくれて、ほんとによかった。


「このまま日本に居ようかしら?」


「はっ?」


「美和ちゃんも仕事したいでしょ?私が代わりに子供の面倒見ればいいじゃない」


にこにこした笑顔で、お袋が言った。


「やめてくれ。毎日、子供をどこかに連れまわすんだろ?」


「いいじゃない。小さいころから、いろんなこと経験させないと」


「はぁ~」


俺はため息をついた。


「嫌なの?親子で住むの」


「別に」


「なにそれ?」


別に嫌じゃないけどな。


それだと、美和と過ごす時間が減る気がする。


まあ、子供が産まれたら二人の時間はほとんどないんだろうけど。