「なに?」


「来てくれてよかった。俺だけじゃ、どうしようもなかった」


「あら。龍ちゃんが、そんなこと言うなんて珍しいわね」


「からかうな」


「あはは」


「笑うな」


俺はなんだか、恥ずかしくなって。


美和の手を離して、窓の外を見た。


今日は、晴れだった。


冬にしては比較的暖かくて、病院の外には散歩をしている人の姿が見えた。


「大丈夫よ。元気に赤ちゃん産まれるわ」


「ああ」


正直、怖かった。


食事をするたびに、吐いてる美和。


美和の体力も、お腹の子供も。