「私も、つわりがひどくてね。今の美和ちゃんみたいに、ご飯を口にしては吐いてたわ」


「それで、薬飲んだの?」


「そうよ。でも、大丈夫だったわ。龍ちゃんを見て?ちゃんと育ってるでしょ?」


「はい」


「だから大丈夫よ。明日一緒に、病院行きましょ?」


洋子さんは、私の目を覗いてきた。


「はい」


「不安だったね。近くに経験者が居なくて、聞けなかったでしょ?」


「はい」


「もう悩まなくていいのよ。私が傍に居るからね」


「傍に居てくれるんですか?」


「この子が産まれるまで、ずっと日本に居るわ。あなたのお義母さんだからね」


その言葉を聞いたとたん、余計に涙があふれてきた。


「ありがとうございます」


「お礼なんていらなわ。当然のことだもの」