「よいしょと」


お墓に手をついて、背伸びをした。


「あの、バカッ!」


俺が水を汲んで戻ってくると。


美和が背伸びをして、お墓の上の方を拭こうとしていた。


転んだらどうすんだ。


「コラ、美和!」


「へっ?」


龍矢の大きな声に、身体がぐらりと揺れた。


「きゃっ」


身体が後ろに倒れそうになった。


「美和!」


俺は慌てて、美和を受け止めた。


「バカ美和。なにやってんだ」


龍矢にものすごく怒鳴られた。