10時過ぎ。


私たちは、お母さんのお墓に向かった。


「気分悪くなったらすぐ言えよ」


「わかった」


車を運転しながら、龍矢が私にそう言ってきた。


相変わらず、心配症だな。


「美和」


「ん」


お墓に着くと、龍矢が私に手を差し出してきた。


俺と一緒に居るときは、必ず手をつなげ、だって。


それから、重い荷物を持つな。


妊娠中に仕事をするなら、送り迎えは必ず俺がする。


あと、身体を冷やすな。


外に行くときは、必ず厚着しろ。


って、さっき言われた。