すっごく緊張した。


いろいろ聞かれて。


最後にこう聞かれた。


「生徒さんに対して、お菓子作りでなにを伝えたいですか?」


「お菓子作りをする楽しさ、誰かに手作りの物をあげる楽しさ、そしてなによりおいしいものを食べる幸せを伝えたいです」


「そうですか」


そう言って、龍矢は微笑んだ。


でもすぐに、あの意地悪な笑い。


うっ・・・最近見なくなってたのに。


「三木さんは誰かに手作りの物を贈っているんですか?」


はいっ?


まだ笑ってる。


私のこと、からかってるんだ。


今試験中なんだからね!って。


心の中で叫んだ。