「ねぇ、龍矢。洋子さんたちに報告してきてくれた?」


「いや。忙しくて会いに行けなかった」


「そっか。じゃあ、電話すればいいかな?」


「今するか?」


「今?夜だよ?」


「美和、時差ってものがあるの忘れたか?」


「あっ」


龍矢は私を馬鹿にしたように笑った。


「笑わないでよ、バカ」


「勉強出来るくせに、たまに抜けるよな」


独り言のように呟いて、龍矢は布団から出てベットに座った。


私も一緒に布団から出て、龍矢の隣に座った。


「妊婦は早く寝る」


「いいでしょ」


子供は早く寝る、みたいに言うんだから。