「なんだ、そんなこと」


龍矢は笑った。


「笑わないで。場所はどこでも、龍矢が私のところに帰ってくれば、おかえりなの」


「ああ。ただいま」


そう言って、私のお腹に手を当てた。


「ただいま」


お腹の子にも、声をかけた。


「明日は休み取ったから、お前に付き合うよ」


「約束覚えてる?」


「お墓行って、母子手帳もらうんだろ?」


「そう」


「忘れるわけないだろ?」


またキスをされた。


「帰るか」


そう言って龍矢は、私の荷物をまとめ始めた。