そっと龍矢が、私を抱き上げた。


そのまま、ベットに座らされた。


「もっと素直になれよ」


「私はいつも素直だよ?」


「どこが。電話で話してても、泣きそうな声してるし。メールだって、短い返事しかよこさないし」


「それは・・・」


だって、龍矢と話したりメールしたら。


会いたいって言いたくなるんだもん。


「そんな声出すから、向こうでどんだけ心配したと思ってるんだ?」


「ごめん」


「ぶっ通しで会議進めて、こっちに帰ろうかと思ったんだからな」


「そんなん、職権濫用」


「ほんとにするかよ。そんなんしたら、人使いが荒い社長だと思われて、評判が悪くなる」


「評判って・・気にするの?」


「当たり前だ」