「バカ言わないの」


そう言って、グレープフルーツをかごに入れた。


「りんごは?」


「大丈夫かな?」


「みかんは?」


「いいかな?」


ネギとか玉ねぎのところを通り過ぎるとき、また吐き気が。


「大丈夫?」


口元を押さえた私を見て、由衣が心配そうに聞いた。


「うん」


それから、お菓子のところとか。


ケーキとか、揚げ物とか見たけど。


全然無理。


「美和、外にあったベンチに座ってな。お金払ってくから」


「じゃあ、お財布」