いつの間にか。


私には、笑顔が戻ってた。


気持ち悪いからって、病室に閉じこもってちゃいけないね。


病院の中庭にある木は、もう葉っぱがなかった。


地面には、落ち葉がいっぱい。


歩くたびに、サクサク音がした。


「どう?なんか食べる気になった?」


「うーん。あんま思いつかない」


「近くにスーパーあったけど、行ってみる?」


「うん」


病院を出て、近くのスーパーへ。


スーパーに入って、最初に目に入ったのは、野菜・果物。


「グレープフルーツなんてどう?」


由衣がかごを手に取って、私に聞いた。


「あっ、かごなら私持つよ」