「わかってるから。龍矢が忙しいの。だから大丈夫だよ」


「なるべく時間作るから」


「ん」


「今は忙しいけど、また一緒に出かけような」


「うん。ありがとう」


でも。


「あんまり無理しないでね。身体壊したら、なんの意味もないよ」


「わかってる」


「早く戻ろ。みんなに見られてる」


「俺は平気だけど?」


「ばか」


「こうしておけば、誰もお前に手出さないだろ?」


「もう」


それから手をつないで社長室に戻って。


龍矢の仕事姿を見ながら、私ももっと龍矢にふさわしい奥さんにならないといけないなぁって思った。