「ねぇ、龍矢」


「ダメだ」


「なんで?」


「俺がいない間に、コケたりしたら困る」


「コケないもん」


私はそんなに、おっちょこちょいじゃない。


「俺がフランスから帰って来るまで、病院で大人しくしてるんだ」


「んー」


「美和」


龍矢がため息をついた。


なんの話かって?


まだ龍矢はフランスで仕事が残ってる。


その間、私を病院に入院させようと龍矢はしてるの。


でも私は、家に帰りたい。


だって、知らないところで一人なんて嫌だもん。