診察室を出て、ふと思った。


美和は気づいてたんだろうか?


まさか、俺に黙ってたのか?


病室のドアを開けると、美和の目が開いていた。


俺の姿を見つけると、ものすごくびっくりしてた。


びっくりしたのはこっちだ、バカ。


妊娠の話を持ち出すと、どうもそうかもしれないって思ってたらしい。


一人では、不安で病院に行けなかったと。


前に違ってたからって。


でも、今回は違う。


ちゃんとここに居る。


美和のお腹の中に。


小さくても、ちゃんと育ってる。


美和の目からは、涙。


泣き虫。