「行けって。一人じゃ不安だったんだもん」


「だったら、俺に言えばよかっただろ?」


「だって、そうかもって思ったの、最初に倒れたときだったんだもん」


龍矢は次の日から出張だし。


「前に違ったことあったから。もし違って、出張行く前にガッカリさせたり・・・」


涙が出そうになって、慌ててうつむいた。


「美和」


名前を呼ばれて、顔を持ち上げられた。


「今度は、ほんとだ。俺たちの子が、ここにいる」


そう言って、龍矢は自分の手と、私の手を重ねて。


そのまま、私のお腹にそれを当てた。


出そうになってた涙が。


ほんとに、こぼれ落ちた。


「ほんとにいるの?」


「ああ。いる」