山下さんの視線を追っていくと・・・


「あっ」


こちらに向かってくる龍矢の姿。


私に近づいて、そのまま抱きしめられた。


「勝手に出て行くな」


「ごめんなさい」


「話があったんだろ?」


「それはもういいの」


「ほんとにいいのか?」


「うん」


「ならなぜ、そんな顔してる」


「そんな顔って」


「辛そうな、なにか言いたいことありそうな」


「そんなことないよ」


「言いたいことあるならはっきり言え」