倒れる前に、なんとか美和の身体を受け止めた。


「美和、美和」


何度か、名前を呼んでみた。


「んっ・・」


幸い、美和はすぐに気がついた。


「大丈夫か?」


「うん。なんか、急に目の前真っ暗になっちゃって」


立ちあがろうとしたけど、またふらつく美和。


「帰ろう」


俺は、美和を抱き上げた。


「まだ午前中だよ。私は、大丈夫だから」


「バカ。そんな真っ青な顔してなに言ってんだ」


実際、美和の顔は血の気がなかった。


俺の声に、身体をびくつかせた美和は、それ以上なにも言わなくなった。


ただ、俺にしがみついてた。