「無理だろ?美和の力じゃ」


「絶対、離れる」


「離さないって言ったろ?」


何度か、龍矢の胸の中でもがいてみる。


てか、こんなとこ人が見たらどう思うんだろ?


喧嘩中の、カップルとか?


そんなこと思いながら、もう一度頑張った。


でも。


えっ?


急に、身体の力が抜けて。


目の前が真っ暗になった。


美和の力が抜けたと思い、俺も腕の力を抜いた。


「美和?!」


俺の目の前に広がった光景は。


美和が崩れ落ちながら、砂浜に倒れるところだった。