「そっか」


そう言って、私の手も一緒にコートのポケットに入れた。


二人で砂浜を歩く。


ザブーンと、波の音が響いた。


少しして、私が歩くのをやめた。


龍矢の前に立つ。


「龍矢、お仕事頑張ってね」


「ああ。美和もしっかりやれよ」


「わかってる」


「なに泣きそうな顔してんだよ」


「だって、最近こんなに離れたことなかったから」


涙目になってるのを見られたくなくて、下を向いた。


「バーカ。たったの2週間だろ?」


頭をポンポンされた。


それから、そっと抱きしめられた。