「だって?」


俺は美和の顔を覗いた。


「仕事では上司と部下でしょ?」


「ああ」


「夫婦関係くらいは対等じゃないと」


「そっか」


まぁこんなことで泣くなんて、まだまだ子供だけどな。


「龍矢」


「ん?」


美和が俺の方にクルっと向き直った。


「おかえり」


「ただいま」


「龍矢も言って。私も仕事から帰って来たんだよ?」


「おかえり、美和」


「ただいま」


キスをした。