「行くぞ」


「うん」


今日は龍矢が学校まで、送っててくれる。


「ごめんね、仕事遅刻だね」


「気にすんな。会議までまだ時間がある」


そう言って、私の髪を触ろうとした。


「龍矢?」


でも、手が止まった。


「こっちにする」


「えっ?」


触られたのは、唇。


もちろん、龍矢の唇で。


「髪に触ったら、崩れそうだしな」


あーそれでか。


今日は髪の毛にいろいろ付いてるもんね。