「お願いします」


私は頭を下げた。


「検討しとくよ」


「ありがとうございます」


もし私たちが夫婦って知らない人が見たら。


完璧、上司と部下だよね。


「では、以上です」


「ご苦労さま」


「はい。お疲れ様です」


「お疲れ様です」


小林さんが龍矢にお辞儀をして、部屋を出た。


私もそれにならって、部屋を出ようとした。


「あー三木さんは残って」


「えっ?」


「大事な話があるんだ」