「社長?」


「はい」


「じゃ、そろそろ帰りましょうか」


「すみません、引きとめて。お子さんもいらっしゃるのに」


「全然いいのよ。また次の会議でね」


「はい。コーヒーごちそうさまでした」


小林さんは最後に、手を振って帰って行った。


お母さんなんだ。


なんか、ホッとした。


会議中の小林さんって、キビキビしてて。


怖い人なのかなって思ってた。


でもちゃんと話すと、そんなことなくて。


やる気に満ちてて、明るい、話しやすい人だった。


「頑張ろ」


やれば出来るって言葉が、頭をよぎった。