「前向いて歩けよ、美和」


「龍矢」


「昼は?」


「食べたくないから」


「来い」


「えっ、ちょっと」


ぐいぐい腕を引っ張られた。


周りにいる人たちは、何事かとこっちを見てる。


龍矢の姿に気づくと、慌ててお辞儀をしてた。


「龍矢、早いってば」


履きなれてないパンプスなんだから。


龍矢は早歩きかもしれないけど、私にとっては走ってると同じだから。


着いた先は、社長室。


ソファーに座らされて。


龍矢も隣に。