俺が春菜の手をつないだら。


春菜がびっくりした顔をしてた。


人がいっぱいなんて言い訳だ。


春菜と手をつないで歩きたかっただけ。


嫌だったかな?


「手、つなぐの久しぶりだね」


「そうだな」


それでも、俺の見間違いじゃなければ。


春菜の顔に笑顔が見えて。


少なくとも、嫌じゃないってことを教えてくれてる気がした。


私が手をつなぎたいって思ったことが、ひろ君に伝わったのかな?


それとも、ほんとに迷子にならないように?


ねぇ、ひろ君。


私たちも、恋人同士に見えてるかな?


だったらすっごくうれしいのは、私だけかな?