ひろ君は、私の身体を離した。


「俺の前では、でもとか迷惑って言葉禁止な」


「えっ?」


「俺にはいっぱい甘えていいから。俺だけには甘えて?」


「でも」


「ほら?迷惑じゃない」


「でもすぐに熱とか、出すし」


「春菜の看病、嫌いじゃないよ」


「そうなの?」


「だって、春菜と居る時間が長くなるだろ?」


そう言って、ひろ君は笑った。


「ありがと」


照れた顔を隠すように、ひろ君の胸に頭をつけた。


「春菜」


ひろ君が、私の顔を持ち上げた。