声を出してもしょうがないから。


ドアを開けるために立ち上がった。


翔馬でも戻って来たのかな?


こんな午後の時間に、ひろ君が帰って来るわけないし。


ドアを開けた瞬間、目に入ったのは。


「ひろ君」


「寝てたかと思った」


うんんって、首を横に振った。


「のど痛いのか?」


「うん。声、あんまり出なくなちゃった」


ポンポンって、頭を叩かれて。


ベットに行くよう、促された。


「熱は?」


「そんなに高くないよ」


「そっか」