ドキドキしてる。


でも、ドキドキしてるのは。


きっと私だけなんだろうな。


「ひゃあ!」


「なに変な声だしてんだよ」


「だってひろ君、急に触るんだもん」


びっくりした。


助手席に座ったとたん、おでこを触られた。


ひろ君の大きな手。


昔から変わらない。


「顔色悪いから、熱でもあるのかなと思って」


「大丈夫だよ。雨だから、頭痛いだけ」


「あんま無理すんなよ」


「大丈夫だから。心配し過ぎ」


「ばーか。そう言って、倒れてんのはどこのどいつだ?」