「開いてる?」


鍵かけたはずなのに。


午後の授業が休講になった俺は、いつもより早く家に帰った。


この時間はまだ、春菜が帰ってない時間。


それなのに、玄関が開いてるなんて。


扉を開くと、春菜のローファーと。


男物の、知らないローファー


廊下を歩いていると、その正体がわかった。


見たことない、男の子。


「君、誰?」


俺は、問いかけた。


答えは、春菜の友達。


友達。


二人乗りしたやつか?


名前は、聞かなかった。