有無を言わせず、隣に並んだ。


勢いで来てみたものの、何を話していいかわからなかった。


時々春菜が、苦しそうに咳をした。


「自転車で来ればよかったな」


駅近くになって、そう後悔した。


「翔馬」


「なに?」


「ここでいいよ」


駅に着くと、春菜がそう言った。


「いいよ。家まで行く」


「でも・・・」


「いやっ。迷惑ならいいんだけど」


「うんん。そうじゃないんだけど、電車代とかかかるから」


そう言って、また咳をする春菜。


「あーもう。迷惑じゃないなら、送ってくから」