「諦めるんだって」


結華がつぶやくように言った。


「諦めるって?」


「春菜今、幼なじみのお兄さんと住んでるでしょ?」


「ああ」


「ずっと好きだったんだって」


「でも・・・」


「でも?」


結華が、長い髪をかきあげた。


「最近、彼女が居るってわかったんだって」


「だから諦めるって、春菜。ほんとはまだ好きなくせに」


希美が泣きそうになりながら言った。


もしって。


もしじゃないじゃん。


思いっきり、春菜のことじゃん。