「私は・・・諦めちゃった」


「えっ?」


「うんん。なんでもない」


報われないから諦めた。


届かないから。


大好きだから。


彼女にはなれなくても、ひろ君の傍にいたい。


そう思ってしまった。


「俺、保健室の先生連れてくるわ」


急に黙りこんでしまった私に耐えられなくなったのか。


翔馬がそう言って、椅子から立ち上がった。


「ありがと」


「少し眠れよ」


「うん」


そう言うと、翔馬は保健室から出て行った。