カチャンと音がして、部屋のドアが開いた。


その音で、目が覚めた。


ひろ君以外が入って来るはずがない。


勉強机の明かりがついた。


ひろ君が近づいて来るのがわかった。


思わず、背中を向けてしまった。


ギッと音がして、ベットがきしんだ。


ひろ君の大きな手が、私のおでこに触れた。


ぎゅっ、って目をつぶってしまった。


ひろ君からは、お酒の匂いもあの女の人の匂いもしなかった。


いつものシャンプーの香りだけ。


いつもの香りで、すごくホッとした。


ひろ君がベットから離れた。


ドスンと床に座った音がした。


私はまた、眠りに落ちていった。