触れるだけの、軽いキス。


それだけだったけど。


みんなの前で出来るって、それって。


やっぱり付き合ってるってことでしょ?


みんなに知られてるってことでしょ?


「こんなとこに居たら、熱上がっちゃうよ」


そう自分に言って、立ち上がった。


ふらって、身体が揺れて。


慌てて、壁にもたれかかった。


しばらくそのまま。


目をつぶって、治まるのを待った。


ほんの数メートルのベットが、遠かった。


いつまでも、涙があふれてくる。


「お願いだから止まって」


布団の中に潜り込んだ。