キス・・・してた。


ひろ君と、女の人。


私に声をかけた、あの女の人。


キス・・・


「春菜?」


ひろ君が慌てて私のところに来た。


「怪我、してないか?」


「・・・うん。大丈夫」


「俺、片付けるから。どいてろ」


「ごめん。コップ割ちゃった」


「気にしなくていいから」


そう言って、私の頭をなでた。


ひろ君からは、お酒の匂いと。


あの女の人の匂い。


やだ。