「わかった。言います」


「よろしい」


そう言うと、ひろ君が立ちあがった。


「どっか行くの?」


「大学」


「あっ、ごめんね。授業、休ませちゃった?」


でも、今日は土曜日。


「補講が入ってんの。今からだから、大丈夫」


「そっか」


「じゃあ、行ってくるから」


「うん」


「家の物、好きに使って」


「ありがとう」


ひろ君がリビングを出て行くとき。


「あっ!」