そんなんじゃない。


なんか、やっぱり。


この前の、ひろ君の感じが忘れられないから。


また翔馬の後ろに乗ったら、変な誤解されそうでやだ。


見られてるわけじゃないのに。


話さなければ、知られることだってないのに。


好きな人に、誤解されたくないから。


「・・・な。春菜」


「あっ、ごめん。なに?」


「ボーっとして大丈夫か?暑さにやられた?」


「うんん。全然大丈夫だから。で、何だっけ?」


「この前の話の続き」


「この前の話?」


「二人乗りしたとき。俺の話、トラックで聞こえなかっただろ?」


「うん」