結局、その一点で、翔馬たちは勝った。


「お疲れ様」


戻ってきた二人に、声をかける。


「見た?俺のパス」


自慢げな勇人。


「見た見た。翔馬のシュート」


「結華~翔馬じゃなくて俺」


「だから見たって言ったでしょ」


「まあまあ。二人ともすごかったよ。一年の活躍で勝ったんだもん」


「だろ?」


「あっ、翔馬。帽子ありがと」


翔馬に、帽子を返す。


「倒れなくてよかったな」


「私、そんなに貧弱じゃないから」


「悪い」