学校の支度を終えて、玄関の扉を開けるのが憂鬱だった。 たくやくんに真実を聞いてしまうのが、怖かった。 そんなことを考えながら扉の前に突っ立っていたらお母さんが心配そうに声をかけてきた。 「紫乃、どうしたの? 体調でも悪いの?」