食卓に並んでいる目の前のウインナーに手を伸ばした時だった。 私のお弁当を作っていたお母さんが突然なにかを思い出したかのように「あ!」と短く声を上げた。 「そういえぱ熊谷さん、お父さんのお仕事の都合で北海道に行ってしまうんですってね。 紫乃、また近所に年の近い子いなくなっちゃうわね。」 お母さんは眉を下げて寂しそうに言った。