「―――――…い…」







「い…?」










「いやったぁぁぁぁっっ!!!!!!」




荘司の歓喜の雄叫びが、静かなバーの店内にこだまする。



「…ッッちょ、ちょっと荘司…嬉しいのはわかったから、落ち着いて…」



恥ずかしくて真っ赤になりながらわたしは無理矢理荘司を座らせる。



…この人は、ほんとにもう…。



荘司はふぅぅ〜…と息をつくと、少しだけネクタイを緩めて、潤んだ目でわたしを見た。



「…すごい緊張した…。社長はじめ、役員全員の前で辞表だして起業宣言した時より緊張した…」



「…荘司…」



そんなふうには見えなかったのに…



「…ユキに別れようって言われた時、ほんとに死ぬかと思った…。…あ、でも心臓止まったから一回死んでるかも…」



そんな荘司がかわいくて、ついつい笑ってしまう。



これからは、彼をずっと支えていこうと、わたしはひそかに決心していた。