「森川さんが言ったことは事実だけど、真実とは違ってる」


「どういう意味?」


荘司はくぃっとブランデーを口にした後、続けた。


「確かに俺は、役員に推薦されてアメリカへ行くように言われていた。…でも、それは辞退したんだ」





…辞退?





彼はまっすぐにわたしを見る。










「俺は、新しく、自分の会社を立ち上げるつもりだ」