「てめえ…」
わなわなと俺が震えているのが
わかったのか、紗姫はぺろっと
舌を出して笑った。
「おま…じゃなくて
紗姫ってペットみてえ」
「ぺ…!!!」
「ってか犬??なーんか飼い主に忠実で。
あ、飼い主って上原さんね。」
「おねーちゃんが飼い主…。
想像してだけでぞっとする!!!
おねーちゃんああ見えて
かなり作法にうるさいから。」
「徹底的に鍛えなおされそうだな。」
「そうそう、あたしなんか…
ってちょっと龍希!!!!」
紗姫が後ろから怒りながら追っかけてくる。
自然に零れる笑み。
こんなに笑ったのは何年ぶりだろうか。