そいつは何も言わずに机を 軽々持ち上げた。 弱そうなその体のどこに 力があるんだろう。 「相良さん行こっかあ♪」 人に助けて貰ったことなんか ない私は素直に嬉しかった。 そしてクラスに上がると クスクス笑っていた子達が 驚いた顔をして私を見た。 「もうこういうのやめな。」 そいつはさっきまでの笑顔とは 真逆の怖い顔をして クスクス笑っていた子達を キッと睨んだ。