彼の足音が、だんだん近づいてくる。
私は下を向いてしまっているから、彼の姿は見えてないけど‥‥
でももう、すぐそこまで来てるってことは分かる。


あぁ‥‥。

私、めちゃめちゃ緊張してる。
自分の心臓の音が、うるさいくらい。





‥‥だけどここまで来たら、声かけなきゃ。
このチョコを彼に渡すんだ!


私は、うつむいていた顔を上げた。
ちょうど目の前を、彼が通過しようとする所。

今だ、今しかない!



「‥‥あ、あの」

私は思い切って声を出した。
突然すみません、そう言葉を続けようとした瞬間、