私が何も言葉を返せずにいると
彼は、あせったような顔をして言った。


「‥‥って、あ、そんなの迷惑だよな!?

ごめん、やっぱり今のナシで!
俺、すぐ人におせっかいしちまうんだ‥‥。


ほんとに、ごめん」



急にしょんぼりした様子になった彼を見て、
私はこらえきれずに笑った。


「いえ、迷惑なんかじゃないです!

あんまりおいしくないかもしれないけど‥‥
どうぞ、食べてください」


私がそう言うと、彼は照れくさそうに笑った。
そして、チョコレイト・ブラウニーを1個つまんで口に入れる。