手に持っているビニール袋をがさがさと探り、
中からペットボトルのジュースを出す。

彼はそれを私に手渡すと、にっ、と笑った。


「これ、あげるよ。
今そこのコンビニで買ったばっかりだからさ」


フルーツ系の炭酸飲料。
夏っぽいパッケージが、冬の夜に不似合いだ。



「え、コンビニ。」

彼が持っているビニール袋には、すぐ目の前にあるコンビニのロゴが入っていた。
何だ、見失ったと思ったら‥‥そこのコンビニに入ってたんだ。


それで店から出て来て、
しゃがみこんでる私を見つけて‥‥
心配して、声かけてくれたんだね。




「‥‥ありがとうございます」

私は差し出されたペットボトルを受け取り、笑った。
それを見た彼も、優しい目をしてにっこり笑う。