私は1つを手にとって、口に入れた。




「‥‥おいしい」


甘くて、ほろ苦い、チョコレイト・ブラウニー。
昨日に味見した時よりも、何だかおいしく感じる。




このチョコ、彼にあげたかったな‥‥。




私は唇をぎゅっと噛みしめて目を閉じた。
涙が止まってくれない。

私はもう一度、手で涙をぬぐった。